沖縄の“平和の礎”を映画化
1995年の6月23日。慰霊の日。沖縄本島南部、摩文仁の平和祈念公園で“平和の礎”の建立除幕式が行われました。
沖縄戦で亡くなった23万余の人々の名前が国籍を問わず、黒い石版に刻名されて波のように海に向って立ち並んでいます。
物言わぬ「礎」がすべての戦争を美化する言葉を拒絶して、吹き上げてくる岬の潮騒に、無念の思いを突き付けているようです。
沖縄戦終結50周年記念事業として、大田昌秀知事が中心となり完成した“平和の礎”は平和を願う沖縄人の心として、広く世界の人々に感銘を与え、刻まれた戦死者一人ひとりの名前から、各々のドラマが語られ、訪れる人々の涙を誘っております。
この“平和の礎”の建設が進められた中、沖縄の文化人、演劇人、映画人、そして一部の財界人など、戦争を体験した人々の間から、沖縄の心を映像化しようという話がもりあがりました。あの太平洋戦争を無にしないために、沖縄県民だからこそ伝えていかなくてはならない沖縄戦の実相…。
一人の平凡な母親の目で捉えた、日本唯一の地上戦。その姿を通し世界へ平和のメッセージとして発信する作品となるよう、願いをこめて製作されたのがこの作品です。
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